今回は「依存関係がないのに削除できない」というモデル駆動型アプリの不思議なエラーについて解説します。
この記事を参考に、効率的に問題を解決していただければうれしいです。
🔍 発生する現象とエラー内容
通常、何かに依存されているアプリを削除しようとすると「依存関係があるため削除できません」というメッセージが表示されますが、今回のケースでは違います。
依存関係が見当たらないにもかかわらず、以下のようなSQLエラーが発生します・・・
Sql error: Statement conflicted with a constraint.
The DELETE statement conflicted with the REFERENCE constraint "appmodule_appsetting_parentappmoduleid".
The conflict occurred in database "db_crmcorejpn_********_********_****", table "dbo.AppSettingBase", column 'ParentAppModuleId'.
The statement has been terminated.
CRM ErrorCode: -2147185375
Sql ErrorCode: -2146232060
Sql Number: 547
このエラーは、目に見えない内部的な参照制約に引っかかっていることを示しています。
📋 発生条件
この問題は主に次のような状況で発生することが確認できています。
- Environment Maker権限とBasic User権限のみを持つユーザーでモデル駆動型アプリを作成
- アプリを一切編集せずにそのまま「戻る」をクリック(もしくはブラウザを閉じる)
- システム管理者ロールのアカウントでそのアプリを削除しようとする
ここでポイントなのは1で作成画面を開いた後、2で書いているとおり、一切手を加えず、アプリ作成画面に到達しただけの状態で閉じてしまうことです。
ただし、同じ手順でも環境によって再現する場合と再現しない場合があるよ。
不思議だね・・・
✅ 対処方法
ではこの問題の対処方法です。
不思議なエラーのわりに対処方法はとてもシンプルです。
- 削除対象のモデル駆動型アプリを開く
- 何らかのページを追加する
- 保存して公開する
- 削除を実行する
これで問題が解決できます。
ではなぜこれで問題が解決するのでしょうか?
💡 なぜこの解決策が有効なのか
ページの追加と公開を行うことで、アプリケーションの内部構造が再構成され、データベース上の参照関係が正しく更新されると考えられます。
今回の不具合の原因としてモデル駆動型アプリを作成する際にテーブル「AppSettingBase」との間に不完全な状態で関連付けがされてしまい、この部分が悪さをして削除ができなかったのではないかと推測しています。
ページの追加を行い、公開することで、この不完全だった内部参照が修復されて、削除操作が正常に実行できるようになるのだと思います。
📌 注意点
同じ手順でも環境によって再現性が異なる点については、データベースの構成やバージョン、あるいは環境設定の差異が影響している可能性がありますが、現時点では特定できていません。
環境の違いによる影響については引き続き調査中ですが、上記の方法で解決できることは確認できています。
🔑 まとめ
今回は「依存関係がないのに削除できない」というモデル駆動型アプリの不思議なエラーの対処方法を解説しました。
内容をまとめると
- 問題の本質: モデル駆動型アプリと内部設定の間の参照関係が不完全な状態
- 発生条件: 主にEnvironment MakerとBasic User権限のみのユーザーで作成したアプリを一切編集せずに閉じた場合
- 解決策: アプリを開いて何かページを追加し、保存・公開、その後削除を実施する
です。
この記事が皆さんの問題解決のお役に立てば幸いです。
それではまた!